こんにちわ!「パチンコ、負けない立ち回りと確率の密接な関係」の管理人、友紀です。
前回の記事では、パチンコの生涯勝率と収支についてお話しました。
回転率がボーダーラインを超えることが、パチンコの生涯収支をプラスにする上でいかに重要であるか理解してもらえたと思います。
今回はパチンコの生涯収支を決める重要因子である回転率を、普段の立ち回りの中でどのように算出するのかお話します。
まず、回転率は次のように定義されます。
「1000円分の玉数を投資してプレーできる平均の回転数」となります。
例えば、5000円分の玉を打ち切って100回転プレーできたとしたら、回転率は100/5=20となります。
現金投資中なら投資金額とデータ表示器の回転数から回転率を正確に、そして簡単に算出できます。しかし、実際のパチンコのプレーでは現金投資と出玉による持ち玉遊戯が入り交じった状態になりますので、回転率の算出は簡単ではありません。持ち玉遊戯中の投資金額が簡単には分からなくなるからです。
そこで、現金投資や持ち玉遊戯といったプレー状態に依らず、回転率を算出できる数式が必要になります。では回転率を計算する数式で求めてみましょう。
まず、投資金額の算出です。ある時間パチンコをプレーしてトータルの発射玉数がDf個、プレーできた回転数がn回転(スタートチャッカーにn個入賞)だったします。スタートチャッカー入賞時の払い出し個数をDs個とすると、このプレー中の正味の消費玉数(発射玉数から払い出し玉数を差し引いた値)Dlは次の数式で表されます。

ここで注意ですが、回転率を算出するときの回転数nには確変時短消化中の回転数を含めないでください。
数式中にγと言うパラメータが出てきますが、これはスタートチャッカー以外のチャッカーへの入賞および保留玉ランプ4個点灯時のスタートチャッカー入賞(大当たり抽選に寄与しないスタートチャッカー入賞)による払い出し率を表します。つまり、γは玉を1個発射した時に、大当たり抽選に関与しないチャッカー入賞により平均何個の払い出しがあるかを表します。
例えば、玉を100個発射してスタートに関係しない入賞による払い出しが5個あればγは0.05となります。
γの値はパチンコ店の釘調整やプレーする人の打ち方によって変化しますが、経験的には止め打ち(保留玉ランプが4個点灯しないように玉の発射を適当に止める打ち方)を実践した場合0.01から0.05くらいの値になります。平均は0.03(100個発射して3個の払い出し)くらいになります。
さて、投資金額は消費玉数Dlを1000円分の玉数250個で割れば求まります。投資金額(ここではCiとします)は以下の数式で表されます。

Ciは1000円単位の値になります。たとえばCiが10にだったら10000円投資したことになります。結局回転率(ここではxとします)は、投資金額Ciでn回転プレーできた訳ですから、以下の数式で表されます。

この数式の中でポイントになるのは発射玉数Dfです。実際のプレーの中で発射玉数を1個1個数えるのは不可能です。そこで、簡単に発射玉数を数える方法を教えます。それは発射時間を計測することです。
ここで言う発射時間とはパチンコ台のハンドルに手で触っている時間です。手でハンドルに触っている間は玉が発射されるわけですが、パチンコ台は規定で発射時間1分あたり100個の玉を発射するように設定されています。
ですから、発射時間を分単位で測定すれば何個発射したのか分かるわけです。実際の発射時間の測定はストップウオッチ機能が付いた腕時計か、携帯のストップウオッチアプリで行います。ハンドルに手を触れる、ハンドルから手を離すという動作に合わせてストップウオッチのオンオフを繰り返して発射時間を測定します。
このようにして測定した発射時間(ここではtとします。また、単位は分です)から発射玉数はDf=100tとなります。これを上記の回転率xの計算式に代入すると、以下のように回転率と発射時間の関係式が得られます。

この数式を用いると、実際のプレーの中で測定した発射時間とデータ表示器の回転数の値から、現金投資と持ち玉遊戯のプレー状態に関係なく回転率を算出することができます。
ただし、1つ問題なのはγの値です。γの値として上述の平均的なγの値0.03を用いれば、概ね回転率を計算できるのですが、より正確な回転率を算出するにはパチンコ店毎に自分がプレーする機種のγの値を調べておく必要があります。
γの値は現金投資時の回転率から求めることができます。現金投資時は前述のように投資金額とプレーできた回転数から正確に回転率を計算することができます。また同時に発射時間を計測していれば、上記の計算式からも回転率を計算することができます。
つまり、二通りの方法で回転率を計算できるので、各々計算した回転率が等しくなるようなγの値を算出すれば、正しいγの値が分かるわけです。ここで、現金投資額と回転数から計算した正確な回転率をxcとし、xcが上記の発射時間から計算する回転率と等しいとしてγを計算すると、以下の数式で表されます。

自分が通うパチンコ店のプレー機種のγの値が把握できるまでは、現金投資と持ち玉遊戯とで発射時間および回転数を分けて測定し、帰宅後にγの値を計算してデータを蓄積するようにしてください。
γの値はパチンコ店によってかなり違います。概ね換金率が低く回転率が高めに設定されているパチンコ店ほどγの値は大きくなる傾向があります。この傾向はご自身でデータを取って確認してみてください。
さて、パチンコの回転率の計算式が求まりましたので、具体的な計算例を示したいと思います。
下表に総回転数n=300回転プレーした時点での発射時間tと回転率xの関係を示します。ここではスタートチャッカー入賞による払い出しDsは3個、γは0.03として計算しています。最近のデジパチであればどの台にも当てはまる条件です。
発射時間t/分 | 48 | 50 | 52 | 54 | 56 | 58 | 60 |
回転率x | 20.0 | 19.0 | 18.1 | 17.3 | 16.5 | 15.9 | 15.2 |
表の見方ですが、例えば300回転プレーした時点(プレーを初めて300個目のスタートチャッカー入賞があった瞬間)までの発射時間が丁度48分だったら、その300回転のプレーは回転率20.0で消化したことになります。
表を見ると分かりますが、発射時間が長くなるほど回転率は小さくなっていきます。これは回転率が低くなるほどスタートチャッカーに入賞し難くなるので、同じ300回転消化するのにより多くの玉を発射する必要があり、結果的に発射時間が長くなるためです。
この表を使ってスーパー海物語M55Wを等価交換店で打つケースを考えてみましょう。スーパー海物語M55Wの等価交換でのボーダーラインは16.6になりますが、300回転消化時点で自分の打っている台の回転率がボーダーを超えているかの判定は、300回転消化するまでの発射時間から行えます。
表から発射時間が56分よりも短かければ、ボーダーラインを超えていることが分かりますね。
このように自分が打っている台の回転率がボーダーラインを超えているかを実際のプレーの中で把握できるように、あらかじめ発射時間のペースを計算しておくことはとても大事です。是非、あなたがいつもプレーするパチンコ台のボーダーの発射時間ペースを計算してみてください。
あと、実際にパチンコをプレーするときは、計測した発射時間から回転率を上述の計算式でいちいち計算するのが面倒なので、上の表を携帯のメモ帳に書いておいてプレー中に確認するようにすれば便利です。正確な回転率は帰宅してから計算しましょう。
以上、パチンコの立ち回りの中での回転率の算出方法についてお話しました。次回は回転率のばらつきについてお話します。
今日はここまで!